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契約書の基礎知識

契約は,原則として当事者の合意のみで成立するため,口頭による契約も有効とされています。

しかし,ビジネスにおいて契約書の作成は必須であるといえます。それは,契約書に次のような役割が期待されているからです。

1.紛争の予防

契約書によって契約内容を明確にしておくことによって,紛争を予防するという役割です。
裏を返すと,契約書は,紛争の予防に足るだけの明確性を有するものでなければなりません。

2.紛争・裁判になった場合の証拠

ビジネスにおいて取引先とのトラブルは避けがたいものですが,実際に紛争となった場合,解決の指針は,まず契約書の内容によって示されることになります。
契約書には,紛争・裁判になった際の証拠となる役割が期待されていると言えます。

3.リスクの管理

取引に伴うリスクを最小化するという役割です。

将来発生することが予想されるトラブルを事前に想定して,その際の責任の分担や処理方法などを定めておくことにより,トラブルを最大限回避したり,いざトラブルが発生した場合には,最大限有利な状況で対応できるようにしておくことができます。

4.債権管理・債権回収

契約条項中に,「期限の利益喪失条項」や「相殺予約条項」などを定めておくことによって,債権管理・債権回収に役立てることができます。

※例外的に契約書の作成が効力発生の要件とされている契約には,①保証契約,②定期建物賃貸借契約,③任意後見契約などがあります。

契約書の構成

多くの契約書は,大まかに言って,

  1. 取引内容に関する条項
  2. リスク管理に関する条項
  3. その他の一般的・定型的な条項

からできています。

  1. 取引内容に関する条項
    売買契約の場合であれば,物の特定代金の額物の引渡し期限代金の支払期限などの条項がこれに当たります。
  2. リスク管理に関する条項
    売買契約であれば,物の瑕疵担保責任に関する条項が典型的なものです。
    その他,契約の解除損害賠償に関する条項がこれに当たります。
  3. その他の一般的・定型的な条項
    紛争になった場合の裁判管轄の合意が典型的なものです。
    その他,誠実交渉条項と呼ばれているものなどがこれに当たります。

契約書の表題

契約書には,「~契約書」という名称のものだけではなく,「覚書」,「念書」,「合意書」などといったものも見られます。

「契約書と覚書の違いは何か」といったご質問もよくあるのですが,契約書の表題自体は,契約の効力には直接の影響はありません。契約の効力を定めているのは,あくまでも契約の中身,契約条項の内容です。

しかし,契約書の表題と契約の中身が釣り合っていない場合には,契約の内容自体の信用性に疑義が生じてしまったり,契約条項の解釈に影響を与えてしまうこともあり得ます。
したがって,契約書の表題は,契約の中身との関係で,しっくりくる落ち着きの良い表題を選択する方が望ましいといえます。

契約内容の明確性

契約書は,契約内容を明確化して契約当事者間の共通認識とすることで,紛争を予防したり,紛争となった場合の解決指針となったりするものですので,契約内容が明確に記載されていなければならないことは当然のことです。

また,裁判になった場合の証拠となることも念頭において,取引の実態を知らない第三者が見ても,内容が明確にわかるようになっていなければなりません。

契約内容が明確になっているかチェックするためには,いわゆる5W1Hを意識するとよいでしょう。
例えば,単純な売買契約であっても,

  1. 売買の対象となっている商品が特定されているか
    (第三者が契約書を見ても商品を特定できるか)
  2. 商品の引渡し期日はいつか
  3. 商品の引渡場所はどこか
  4. 代金はいくらか
    (金額を特定しない場合,後日金額を特定できるような条項になっているか)
  5. 代金の支払期限はいつか
    (期限を特定しない場合,後日期限を特定できるような条項になっているか)
  6. 代金の支払いはどのように行うか
    (銀行口座への振込みか,振込先口座はどこか,振込手数料は誰が負担するか)

など,問題となり得る点は多々あります。

第三者が見ても分かる契約にするには,用語の使用方法にはかなり神経を使う必要があります。

例えば,業界用語専門用語を使用する場合には,契約書中において,その用語をどのような意味で使用しているのかを定義しておく必要があります。また,同じ単語は,同じ契約書中においては,全て同じ意味で使わなくてはいけません。

以上のとおり,簡単な売買契約であったとしても,契約書を作成する際に気を使うべき点は多く存在します。

解除条項

契約締結から契約履行まで一定期間ある契約についての契約書には,通常,どのような場合に契約が解除できるかを定める「解除条項」の規定があります。

なお,「解除」と似た概念に「解約」というものがあります。一般的に,「解除」は契約当事者の一方に契約違反などの責に帰すべき事由がある場合に,契約を遡及的に無かったものとすることを意味するものであるのに対し,「解約」は一定期間取引が継続される継続的取引関係の場合に,一方当事者の申入れにより将来に向かって契約関係を解消することを意味します(中途解約をイメージしていただければよいと思います)。もっとも,「解約」を指して「任意解除」や「合意解除」と呼んでいる場合もあり,注意が必要です。

いかなる場合に契約解除を認めるかは,個別の通常,契約の一方当事者に以下のような事由があった場合に解除を認めることとしている契約書が多いと思われます。

  • 契約に違反したとき
  • 監督官庁から営業停止または営業免許もしくは営業登録の取消しの処分を受けたとき
  • 差押仮差押仮処分強制執行担保権の実行としての競売租税滞納処分を受けたとき
  • 支払停止があったとき,または破産,民事再生,会社更生,特別清算の申立てがあったとき
  • 手形交換所の取引停止処分を受けたとき,または不渡手形を生じさせたとき

期限の利益喪失条項

契約締結から債務の履行までに一定期間ある場合(分割払いの合意の場合も含む)に,「期限が到来するまでは債務を履行しなくて良い」という債務者の利益を「期限の利益」と言います。

期限の利益喪失条項は,一定の事由が発生した場合において,期限前であっても債務者が持っている「期限の利益」を失わせ,債権者が債務者に対して即時の債務履行を求められるようにする条項です。例えば,売買契約において代金の分割払いの定めがある場合,期限の利益を喪失すると,債務の残額を一括で支払わなくてはならなくなるという効果が生じます。

債務の履行期限まで待っていたのでは,債務の履行が受けられなくなるおそれがあるような場合(債務者に信用不安が生じた場合)であっても,期限の利益喪失条項の適用によって債権回収に着手できるようにするという債権者保護の意味があります。

一般的には,解除条項の場合と同様の事由を期限の利益喪失事由として規定することが多いと思われます。

また,期限の利益喪失条項には,契約に定められた一定の事由が発生した場合において,自動的に期限の利益を喪失させるものと,債権者から債務者に対して意思表示をすることにより期限の利益を喪失させるものがあります。

契約書の作成に当たっては,契約に関する紛争が発生して裁判になった場合に,どこの裁判所で裁判を行うのかについての定め(裁判管轄の合意)を置くのが通常です。

どこの裁判所で裁判が行われるかということは,実際に裁判を遂行する場合には非常に重要な問題です。例えば,岡山の会社が札幌の会社とトラブルになった場合に,毎回札幌の裁判所まで出頭しなければ裁判を行えないということになると,旅費や弁護士の日当だけでも非常に高額の支出となってしまいます。

管轄の合意は,①第一審に限り,②法律上の専属管轄の定めがない場合にのみ可能です。

法律上の専属管轄の定めの例として,特許権に関する訴訟などがあり,東京地方裁判所または大阪地方裁判所でのみ行うこととされていますので,この場合は,管轄の合意を定めても無効ということになります。

そして,管轄の合意を定めるときは,必ず「専属的合意管轄」という用語を使用することをおすすめします。単に「合意管轄」としただけでは,本来の管轄裁判所(原則として被告の住所地を管轄する裁判所)で裁判をすることも許されることになります。

(条項例)

本契約に関する訴訟については,岡山地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

収入印紙

契約書の内容によって印紙税が課されます。

  • 不動産,鉱業権,無体財産権,船舶若しくは航空機又は営業の譲渡に関する契約書
  • 地上権又は土地の賃借権の設定又は譲渡に関する契約書
  • 消費貸借に関する契約書
  • 運送に関する契約書
  • 請負に関する契約書
  • 継続的取引の基本となる契約書
  • 金銭又は有価証券の寄託に関する契約書
  • 債権譲渡又は債務引受けに関する契約書

印紙税が課される文書を「課税文書」と言い,この場合は,収入印紙を貼付して消印を押すことが必要です。

収入印紙が貼付されていない場合であっても,契約の効力は否定されませんが,過怠税が課されますのでご注意ください。

印紙税額については,国税庁のホームページをご参照ください。

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